カスタマーレビュー(鉄骨)

前回のプリンちゃん購入の件。あれはあれでいい買い物でしたが、
PC直挿しでの試聴では、やはりレビューの信憑性もイマイチでしたね。
ということで今回、PCオーディオの環境整備も兼ねて
USB-DAC内臓のヘッドホンアンプを購入致しました。



ドッスン

FOSTEX製のHP-A3であります。
e☆イヤホンの通販サイトにて、迷うことなくポチりました。
というのも、この機種はヨドバシの試聴コーナーでも使用されているぐらいですので、
信頼性及びSENNHEISERとの相性は折り紙付きです。自分でも十分に試聴しましたし・・・。
人気路線のAudinstのHUD-mx2も候補にありましたが、やっぱ、Made in Japanですよね〜。
上位機種のHP-A4に比べたらコスパは若干劣りますが、古い製品ということもあり
今日日、市場価格におけるコスパは結構盛り返している状況です。(単なる値下がりw)



FOSTEX HP-A3(愛称:鉄骨)

どうですか?この意図的とも思える無骨な面構え。飾り気の無いデザイン。
突きだしたPHONESジャックなんか「骨」そのものですよ。
ローマ字読みにすると「ホネ」ですからね。(上手い!座布団128枚持ってきて!)
六角のナットも丸出し。如何にも頑丈そうですね。
正に、鳴らすためだけに生まれてきた兵(つわもの)であります。

IO及び機能構成は以下の通り。
 入力:USB、光
 機能:DDCDAC
 出力:PHONES、光、RCA

必要最低限の機能とIO。これで十分です。
寧ろ、余計な機能は音質を劣化させるだけですからね。
電源もバスパワーオンリーで、すっきりスマート。
ノイズと電量に対する配慮は施されているそうです。



一応、自宅のPCオーディオ環境は整いました。
これが最終形かな〜?



PCとUSB接続をすると、ドライバーが勝手にインストールされ、
即使用可能な状態になります。(推奨OSは、WindowsXP以上、MacOS10以上)
プラグアンドプレイってヤツですね。バカチョン(放送禁止w)。
PCの再生デバイスを変更すれば準備完了です。


で、肝心の音の方ですが

 高音域:元気ですが、質の悪い歪んだシャリシャリ音
 中音域:高域と低域がアレなので良くわかりません
 低音域:スカスカと痩せた感じ

ほんと見た目と一緒で、鉄骨の様な冷たい音がします。
モニター系の安いヘッドホンで聴いているのと同じ感覚です。
上位機種のHD650ではバランス良く鳴ってくれるのに、
どうしてプリンちゃん(HD598)とはここまで相性が悪いのか・・・。
残念でなりません。無念。

以上、FOSTEX HP-A3の試聴レビューでした。









というのは冗談。w
実は、今回のレビューの見所はここからになります。

先ず、あの無気質な冷たい音に関してですが、
これはヘッドホンアンプの心臓部でもあるオペアンプが原因でした。
HP-A3ではBurrBrown製のOPA2134がデフォで使われております。市場価格にして200円。
別に手を抜いてるとかそんなのではないんですけど、音響製品を設計する上で
コストを優先させるのは世の常であります。
OPA2134自体そこそこの評価はありますが、個人的には子供騙しの音にしか聴こえませんでした。
ということで、オペアンプを交換することにしました。

ググること65,536時間。(盛り過ぎw)
自分の出した結論は、新日本無線社製のMUSES02。
MUSES01も候補にありましたが、HP-A3の設定電圧(5V)では性能を引き出せない
という話がありましたので、消去法で決定。
究極の選択では、ディスクリート回路なるものもあるそうですが、今回は却下。
一応、自分は初心者ですからね。
ディスクリートに手を出すには、半年ぐらい勉強しないといけないみたいです。

MUSESシリーズのフラグシップモデルでもあるMUSES02、市場価格は3,400円。
実に、OPA2134の17倍の価格ですね。開いた口が塞がりません。w
製品コンセプトを要約すると

 ・開発費を惜しみなく投入
 ・コスパ無視
 ・数値的なパフォーマンスよりも音質重視

この常識破りなスピリット、一発で惚れました。



さて、お買いもの。

秋葉原秋月電子店。
当該製品、今では秋葉原でもここでしか扱っていないそうです。
お店の中は、平日の昼間だっていうのに
大勢のお客さんがトレイを持って右へ左へごった返しております。
すげぇ〜活気。w
因みに、MUSES02は手前のレジカウンターの直ぐ隣に置いてありました。



では早速、取り換え作業に取り掛かりましょうか・・・。

商品にはICソケット(下駄)が付属していますので、買い足す必要はありません。



結構手間取りましたが、なんとかドッキング完了。



HP-A3のカバーを取り外すと、右上部に宿敵であるOPA2134(8本足のやつ)が居ます。
こいつをブッコ抜いて、MUSES02を装着。
この時、装着の向きだけは絶対に間違ってはいけません。一発で逝ってしまうそうです。
ソケットの凹みとチップの丸印の向きを揃えましょう。



無事にランディング。
That's one small step for man, one giant leap for mankind.



では、はやる気持ちを抑えて冷静に試聴してみましょう。(ここ大事)

いい音に出会った時って、大体一瞬で分かりますよね?
そう、それです。
一発で合格サインを出しました。
というか

「やったー!」

ガッツポーズですよ。

 低音域:抜けも良くしっかりと豊か
 中音域:温かくもパンチはあり
 高音域:刺さらずに尖るところははっきりと綺麗に

情報量と解像度、定位と臨場感に関しても抜け目無し。
正しく自分の理想の音です。

ここで一つの公式が生まれました。

 MUSES02 + HD598 ≒ HD650

全く同じとまでは言いませんが、殆ど追い付いたと言っても過言ではありません。
あの憧れのHD650の音をプリンちゃんで聴けるだなんて、「幸せ」の一言です。



用済みのOPA2134。

なんか、ゴキブリを駆除してやったような気分です。w



HP-A3というよりか、MUSES02のレビューになってしまいましたね。
でも今回は

「アンプの音質はオペアンプで決定する」

ということを身を持って学ばせてもらいました。痛感しましたよ。
いや〜ほんと、ハッピーエンドで終われて良かったです。

ご静聴ありがとうございました。